クラピアの観察
* 花
直径1cm程度の白い花(品種によりピンク色もある)
直径2,3mm小さな花が集まって1つの花を構成しています。
4月頃から10月頃まで継続して花をつけ続けます。
* 葉
葉は楕円形で周辺にギザギザがある。
1本の茎に節ごとに2枚づつ葉をつけます。
1枚の葉の大きさは1〜3cm程度
冬季は全体に茶色くかれたようになるが、
春になると新しい芽を出します。
* 茎・根について
茎は細長く枝分かれ部分に根がついています。
横へ横へとランナーが伸びていきます。
茎は細長く地に這う様に伸びていき、 節で枝分かれして広がっていきます。
枝分かれした節に根を出し地に定着します。
* クラピアの生育
クラピアはポットの状態で販売されています。植えた時期は五月初旬です。2〜3週間はあまり変化がありませんが、1ヶ月すると急に成長が早まります。四方に手を伸ばし(ランナーと呼ばれている)枝分かれしながら広がってゆきます。
今回は急激な成長を期待したため、土壌は腐葉土を混ぜ込み肥料を加えました。全体の1%程度の株に発育の不良や茶色に枯れる(アントシアン)現象があり、枯れた部分に上から土をさらさらとまき、埋め込むことで成長の促進と安定化を行いました。水やりなどで周囲の土が流れ水分養分が不足になることが原因と思われます。
成長のようすをグラフにまとめてみました。この統計は同一場所から撮影した写真を元に、緑色部分の面積を画像から検出した数値です。クラピア草原は東西2カ所にあり双方のデータを載せています。2つの草原は植えた時期が2週間ずれていますが、この点は考慮されていません。(西側の方が遅い)東側はほぼ一定の変化を示していますが、西側は緑化が急速に変化する指数関数的な変化がわかります。
この点の相違を探るべく、降雨量・日照時間・気温のデータを重ねてみましたが、関連性は得られていません。
一般道路に面したクラピアは異常な成長ぶりを示しています。
その原因を推測してみると・・
1.アスファルトの蓄熱で地表温度が高くなっている
2.排気ガスの影響で成長が促進している
3.周囲が24時間明るいため夜間も成長している。
この推測の中で周囲の明るさが一番有効に思えたので、東側の生育が悪い部分に照明をあてて実験を試みました。
使用した投光器は白色LEDの50W、LEDは半導体のエネルギ差を利用して発光させるので、単一のスペクトルしか持たないことから、白色LEDは赤・緑・青のLEDを複合して構成されています。そのため、3本のスペクトルがクラピアに適しているかはわかりません。LEDは発光効率が高く50Wでも明るさは充分です。また、輝度は距離の二乗に比例するので、スポット的な照射は距離を縮めることで効果が倍増します。投光器は植物用の支柱を3本使用し、60cmの高さから夜間7時から6時まで照射しました。結果は良好といえます。約1週間で土の部分が消えて完全に覆いました。さらにもう一つのポイントに移動して照射を行いました。元気の良いクラピアのようすを紹介します。草原がすべて覆われると他の領域へ進出してゆきます。木の根元も覆い尽くし、塀を上ったり、道路に飛び出したりと、その元気の良さは驚くばかり。もちろん土の無いところは、一定以上の広がりはありません。
木の根元まで入り込んでいます
フェンス下から道路に進出しています
ブロックを這い上がる勢いです
クラピアは人が踏み歩いても枯れることはありません。
しかしその部分の草は薄く堅くなって花をつけなくなってしまいます。あまり歩かない方がかわいらしい草原を維持できます。
上:踏み歩いている部分
下:あまり踏んでない部分
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