金魚を入れる池を簡単に作りたい。
こんなスタートから池作りが始まった。
池を構成する方法として2つの方法が思いつく。

1.コンクリートで作る
2.既製品のプラスチックの池を購入する

コンクリートは池の形を自由に選択できるが、簡単に作ることはできない。
業者に依頼して工事をしなければならない。
また、あくが出るので完成後水質が安定するにはしばらく時間がかかる。
その点既存のプラスチックの池はポンと置くだけで完成するので
簡単であることは言うまでもない。
欠点は大きなサイズの池が入手できないことだ。
このような思案の中、穴を掘ってビニールシートを敷くという池の構成方法が目にとまった。
これは大きな池でも簡単そうで、すぐにもでき、費用も余りかからない。
どうやらゴルフ場の池を作るときに使っているようだ。
このビニールシートの池は 「プールライナー」 という商品で、材質はゴムのようだ。
プロ用の1mm厚のものと、安価な0.5mm厚があり、今回は0.5mmのシートを2枚重ねで
使用することにした。 池の構成は図のようになる。

< 計画図 >





土の上にフエルト性の「アンダーライナー」を敷いて土の表面のでこぼこや木の根、
小石などの影響を緩和する。
その上にプールライナー を敷いて水を注入するだけである。
池のザイズは2m×3mとし、3m×4mのシートを用意した。
水深は半分を50cm、もう半分を60cmとした。
この目安は入れる魚の体長の3倍という説による。
シートを利用した池の大きな問題点は排水口を設けることができない点である。
水を抜く場合はポンプに頼るしかないため (もちろんバケツでくみ出してもいいが)
工事用の水中ポンプなどを用意しておく必要がある。


土堀

設置場所を決定してから最初の作業が土堀だ。 3m×2mの寸法を大体決定して、となりの水道屋さんに小型のユンボで荒く穴を掘ってもらった。次は手作業で池のふちのスロープをきれいに完成させる。 スロープはシートを利用することから、あまり急傾斜にすると収まりが悪いと判断し緩やかに整形した。 この穴堀でのアクシデントは水道管や、ガス管が見つかってしまったことだ。水道屋さん、ガス屋さんをよんで切り回しの工事をお願いすることとなった。この辺も目に見えない地中工事の注意点であった。


シート張り

ゴムシートを張る前に小石を拾って表面を平らな状態にする。フエルトシートの「アンダーライナー」を置く。「アンダーライナー」は少し重ね合わせて、曲面は切込みをいれ、きれいな面ができるように置いてゆく。

次にゴムシートの「プールライナー」を敷き詰める。曲面にはどうしてもひだができてしまうので、きれいに折り曲げてゆく。結果的にはこの作業があまりうまく仕上がらず、大きなヒダを残す結果になった。用心のために2枚のシートを同様に張った。

池の淵の処理が一番難しいところだ。
敷地が制限されているのでゆったりとした淵を作ることができないため、
レンガで造ることとし、置石としてレンガをおいてすぐに注水した。
本来はゆっくり仕上げるのが好ましいことは言うまでもないが、
今回は金魚の移動が大きな目的であったことから淵の仕上げは後まわしとした。


水を作る

注水した水道水は金魚にとっていい水なのか?古い池から半分くらい水を移動し、半分を水道水を注入、2〜3日水をねかせて様子を見た。この間に水の浄化装置を準備する。 ネット情報から「ちょい古道具ライフ nobrin7.exblog.jp」さんのアイデアを参考にさせていただき、ツールボックスを利用した簡単な浄化槽とポンプを準備。 ポンプは水槽用の30?/min・揚水高2.1mのパワーを持つAC100V動作のニッソー社製「デュアルパワーポンプ30」という水中ポンプを購入。 選択の意図はあまりないが、水槽サイズの例からおおよそを見積もってみた。 水中ポンプは池の中に入れて利用する構造のポンプだが、AC100Vを水中に入れる不安もあり、揚水ポンプとして使用した。 水中ポンプは全ての部分が樹脂で覆われていて、内部に金属を使用していないことから塩水や薬品にも強い利点がある。 回転力はマグネットの力で伝達されている。一般のDCモータは回転子と呼ばれるコイルに通電してコイルの電流極性を変化させることで回転を維持するが、 電路部分が露出することから水中ポンプには使用できない。 水中ポンプは回転子が強力な永久磁石になっていて、モータ周辺にとりまくコイルの極性を電子的に回転させることで 回転子に磁力を与えて回転を得る仕組みである。 モータのコイルと回転子の間は樹脂のカバーにより分離されていて、電気部分が水で濡れることはない。




水中モータは回転軸に金属が使用できないので、セラミックの棒が使用されているが、しっかりと回転子を保持できない感じがする。
水中モータが回転を始める条件として、ポンプ内に水が充満している必要がある。
外部に設置する場合でもポンプ内は水につかるよう水面より低い位置に設置する必要がある。
水面より高い位置で起動させるにはまずポンプ内に水を充満させる必要がある。
この方法は意外に難しいテクニックを必要とするが、簡単な方法としては排水口側から水道水を注入して内部の空気が全て排出された時点でポンプに通電すると 動作がスタートする。



浄化槽は水を濾過するための4つの層を
用意した。
水槽用のバクテリアを安定化させるポーラスリングを底面に敷き、 玉石、活性炭、水槽用フィルタを順番に重ねて配置した。
ポーラスリングはガラス系の材質でできており
、表面に小さな穴が沢山あいている多孔質の材料である。
排水管まで10cm位の高さを設けてポーラスリングが常時水につかるような構造とし、
そこにバクテリアを育てることにした。
さて、金魚に適した水質を見出だす方法として見つけたのが水質検査試験紙である。
テトラ社製の「Test 6 in 1」は1回で六種類の成分を判定できる。
水質を決める要素は次のような物質であるようだ。

・塩素(Cl2)
 塩素は微量でも魚やろ過バクテリアに有害 ( 0〜3mg/L)
・ペーハー(pH)
 魚の種類によって適正なpH値が異なる (6.4〜8.4)
・亜硝酸塩(NO2)
 亜硝酸塩濃度が高いと魚が中毒死する (0〜10mg/L)
・硝酸塩(NO3)
 硝酸塩量が多いとコケが発生しやすい (0〜250mg/L)
・炭酸塩硬度(KH)
 炭酸水素イオンの量に対応して変化し、水のpHに関与 (0〜20°dH)
・総硬度(GH)
 総硬度は水中のカルシウム塩とマグネシウム塩の量で変化 (<3°dH〜>16°dH)
▲ TOP


金魚の移動

金魚の移動は1つの大イベントである。そう簡単に金魚が捕まるわけはない。池の水位を少しずつ下げてアミですくうという単純作業。しかし、なかなか捕まらない。あまり追いかけると体力を失ってしまうため、休憩を取りながら少しずつ捕まえて移動を行った。


アクシデント

池の水は澄みきっていてなかなか調子がいい。
金魚達も元気一ぱい泳ぎ回っている。
えさもよく食べて池の移動は順調と思われたが、初めてのアクシデントが起こった。
4月7日、この季節では珍しい大雨が発生、台風のような大雨のため、周囲の土が池に流れ込んで池が泥水になった。
池の周囲に溝を作り流れを変えてみたが、すでに手遅れ。
その後3日間程度泥水は続いたが、泥が沈んでやっと綺麗な水が戻りだした。
金魚は泥水の中でも元気にしていてくれた。
今回のアクシデントで、池の縁と周囲の雨水の流れ道をしっかり作り込むことを知らされた。
高さを測りながら池の縁を均一の高さに調整し、外部より水が進入しないように再度池の周辺も成型した。


電気工事

家の大規模な電気工事で電気が止まることがしばしばあった。
池のポンプは一端停止すると再通電しても回転しない。
水中ポンプを揚水ポンプで使用する場合の弱点だ。
電気屋さんと息を合わせて停電時に対応していたがあるときふと見るとポンプが停止している。
通電状態で回転していないと負荷がかかり発熱で故障してしまう。
すぐにスタート処理を行ったがモータは回転してくれない。
新しいポンプをすぐに取り寄せたが3日間も水の循環が停止してしまった。
同じポンプを探してみたがどこの店も売り切れになっている。
どうもこのポンプは製造を中止したようだ。
同じようなポンプで40?/min、揚水高2.6mの 「オーシャンライナー2500」という水中ポンプを購入した。
このポンプは「デュアルパワーポンプ」と全く同じ外観でOEMで製造されているのだろう。
この外観はエーハイムのポンプともよく似ている。


水草

池の浄化と酸素の補給を考えて水草を入れてみることにした。植物は水を浄化して酸素を放出し、水温も下げ、金魚のエサにもなる。(金魚のおやつ?)金魚の隠れ家としての役割もある。金魚藻として有名なガボンバ、アナカリス、ほてい草を用意した。





縁のレンガ張り

当初の予定通り、池の縁にレンガを張る。レンガは色合いの綺麗なミニレンガを使用した。色々な並べ方を考えてみたが三列に25cm幅に並べることにした。下地としてセメントを2〜4cmのせて水平を出し、セメントが固まらないうちにレンガを埋め込んだ。糸を利用して水平を見ているが、なかなか綺麗に仕上げることは難しい。また、池が曲線であるために各列のレンガの位置を揃えることができないが、これは気にせず自然な感じに並べることにした。目地は水面が引き立つような綺麗な仕上がりになるよう「白セメント」を使用した。ケーキのクリームを絞るようにお米の袋を利用して絞り袋を作り、レンガの間に流し込んだ。これは綺麗な仕上がりになったが、屋内用の目地材とのことで酸性雨でカルシューム分がとけて池に流れ込んでしまうアクシデントがあった。流れ込みを防ぐため、池側の面はホワイトのシリコンでコーキングして流れ止めにしている。













▲ TOP



シラサギ

池の縁に白い大きな鳥が・・・。これはシラサギだ。毎日エサの時間にはたくさんの金魚が集まってくるが、この日から急に集まらなくなった。シラサギを警戒して水面には近寄らなくなった。すぐに池に網をかけたがずいぶん金魚が減ってしまった。塩ビの水道管などを沈めて避難所を設けたりした。


ポンプ停止

2台目のポンプに入れ替えて約1ヶ月の時期であったが再び停止してしまった。
池の浮遊物がポンプに詰まって停止したようだ。
ポンプ内を掃除して再スタートしたがモータはうまく回ってくれない。
もう一台ポンプを用意することになった。
今回は壊れにくそうなポンプということでプロ用の三相電機社製マグネットポンプPMD-581B2Eを購入した。
同じ構造のポンプだが水中ポンプではなく、外部設置型のポンプだ。
金属ケースでしっかりとした外観だ。43?/min、揚水高3mのパワーがある。


病気

5月に入り気温が急激に上昇、水温が25℃を越える日が続く。池に変な藻が多く見られ、なにやら水中に白い糸のような物が浮遊している。水は緑色になり少しにおいもする。水温を下げるためにヨシズを置いて水温を下げた。原因不明だが金魚が毎日減ってしまう。どうやら病気が発生したようだ。見た感じは特に問題はなさそうだが水質が良くないことは確かだ。泥の影響や水草、白鷺、水温、など病気が発生しやすい原因はいくつもある。一旦金魚を水槽に移して池を綺麗にすることにした。金魚たちは押入収納BOXを利用した水槽に移動して3%の食塩浴をさせた。金魚の状態は特に病気のようには見えないが、一部尾ぐされ病、白点病のような金魚がいる。フンの色が白く長いので内臓にばい菌が入ったり、複数の病気が一度に出たような気がする。薬は「アグテン(マラカイトグリーン水溶液)」を与えていたが、病気の種類が特定できないため、
途中から「グリーンF」に変更した。薬浴は約1ヶ月続き金魚はずいぶん元気になったが、半分以上減ってしまう結果になった。池も水を抜いて3回洗浄し、約1週間の薬浴を行い殺菌した。水草も同様に薬浴させて殺菌した。


浄化装置の再検討

池作りは初春であったこともあり、浄化装置に問題を感じなかったが、 藻や細菌が発生しやすい夏の時期を乗り越えるには
充分な水量を循環させて浄化する設備が必要なことを感じた。
このことは南側に面したロケーションも大きく影響していると
思われる。
そこで、池用の小型浄化装置と専用のポンプを購入して自作の浄化設備に合体させた。
浄化装置はタカショーのフィルトクリア6000で
約5平方メートルの池を浄化する能力があるようだ。
ポンプは専用の水中ポンプであるビオガーデンプロ5000で、35mmの太いホースで連結した。
このポンプは102L/min、揚水高2.9mの力がある。以前と比べると約2倍の水量を流すことができる。


水量が増加したため古い浄化設備の排水量が追いつかない状態になり排水口をもう一つ設置した。
7月に入り梅雨明けしたころは連日35℃の気温だった。
池は全面ヨシズで覆い水温30℃をキープさせている。
▲ TOP