ラブリコ・ディアウォール

ラブリコ・ディアウォールって何だろう?
2x4材を利用して突っ張り棒スタイルの柱を構築するための金具として「ラブリコ」と「ディアウォール」と呼ばれる製品が販売されています。まず、これらのパーツをご紹介いたします。


ラブリコ

ラブリコ(LABRICO)2x4 ADJUSTER は
平安伸高鋼工業から発売されている2X4 木材を利用した突っ張りポールを実現するためのパーツです。
壁クロスにダメージを与えること無く
室内に柱を作ることができるため、
賃貸住宅でインテリアを楽しむための必需品になって
います。
ラブリコは2x4 木材の両端にセットして、
床と天井を突っ張るように設置して利用します。
簡単な仕組みですが思いのほかしっかりと設置できます。
ボルトを締め付けて突っ張る構造のため
壁クロスにダメージを与える危険が少ないのですが、
下からボルトが見えてしまうところが残念です。
組み立てはボルトを緩めれば位置調整ができるため、
位置決めなどの細かな作業ができることから
一人でも組み上げることができます。
特に賃貸の部屋で利用する場合は、
ラブリコをお勧めします。


姉妹品として棚受け金具もありますが
2x4 の柱に帯が入る外観のため、
次のディアウォールの方が目立たずに設置できます。
また後から棚を増設する場合に全体を分解しな
ければならない欠点があります。










ディアウォール


同様な商品で若井産業から発売されている
ディアウォール(DIAWALL)があります。
ホームセンターではディアウォールを良く見かけます。
こちらはスプリングの力で突っ張る構造ですから、 外観がスマートなのが特徴です。
設置時の微調整がやりにくいのが残念ですが、
経年変化で緩みが出ないのは良いところです。

同様に棚受け金具が用意されています。
こちらの棚受けの方が目立たずに設置できます。
しかし、突っ張り強度を自由に調節できないので、 天井にダメージを与える危険があります。






基本的な使い方を説明します。

1.2x4 材の準備


まず2x4 木材を用意して適切な長さに切断します。
床から天井の高さを測定して、
ラブリコの場合は95mm、
ディアウォールでは45mm 短い寸法で切断します。





○ラブリコ 天井高− 95mm天井高が2350mmの場合は2255mm です。
○ディアウォール天井高− 45mm天井高が2350mmの場合は2305mmです。

長さを調整する時は2x4 材を2mm、3mm、5mmと薄く輪切りにして
張り具合(強度)を見ながら間に入れて調整すると良いです。
1mmでも強度が変化してきます。
天井に無理な負担がかからないように注意しなければなりません。
床はしっかり作られていますが天井は下からのチカラに対する強度がないため、
強すぎると大きなダメージを与えてしまいます。
この点、ディアウォールでは指定された値(-45mm)での切断が適切です。
ラブリコの方がボルトで自由に強度調整ができるので安心でお勧めです。

2x4 材はホームセンターで販売されていますが、
多くの場合1800mm のサイズですので天井にとどきません。
次のサイズは4m になってしまいますので、この材料を切断して使用することになります。
通販の材木販売では2400mm サイズがありますので、これを購入して自分で切断することもできます。
通販で安心なお店として木工ランドがあります。(https://www.mland.gr.jp/)
材料購入時は良く天井高を確認して下さい。また、2x4 材はしなりやねじれがあるので良く選定します。

棚板は同じ2x4 材でもかまいませんがイメージが重くなるため1x6 材を使用しています。
1x4 材が2x4 材と同じ幅なのですが、棚としては幅が狭いため1x6 材をお勧めします。
1x6 材では板の幅が140mm になります。
1x6 材は取扱店が少ないので入手が難しいのですが、川崎ラゾーナのUnidyでは
家具用の良質な1x6 材を置いています。
1x8、1x10 材などで棚の幅を広く取ると色々な物が置けて便利ですが、ついつい重い物をおいてしまい、
重心がずれて転倒する危険がありますのであまりお勧めできません。

[注意]切断の作業時は養生を万全に行いましょう。





2.塗装


木工の楽しみの1つに塗装があります。
ディアウォールの設置前に塗装をしておきます。
塗装は一般にペンキを使用します。
この例ではミルキーホワイトの水性ペンキを使用して、
これを薄めにといてウエスで塗装しています。




薄めの塗装は木目がきれいに見えた仕上がりになりますし、 乾燥も早いので1,2 時間で乾きます。
木目を生かす塗装はステインなどがありますが、BRIWAX を使用すると艶のあるきれい
な質感を楽しめます。英国製の蜜蝋WAX で、色の種類は15 種類と豊富です。
BRIWAX はネットから容易に入手できます。
写真の棚板は1x6 材にミディアム・ブラウンで塗装しています。
ウエスに多めに付けて端から細かく素早く塗るのがコツです。
ゆっくり塗っているとムラ塗りになります。
ハニーは色が付かないためパイン材の白い色が楽しめますし、ムラ塗りが目立たないところが気楽です。
もちろんペンキ塗装の上からでもハニーを塗ると質感が全く変わります。


[注意]塗装の作業時は養生を万全に行いましょう。



3.組み立て準備

ドライバ(電動ドライバがあると楽)
キリ
メジャー
水準器

4.棚受けの取付

棚を取り付けたい位置を正確にはかります。
キリを使用してネジ止めのためのガイド穴をつけます。
木ねじで棚受け金具を固定します。















5.設置位置の確認


天井と床の位置にマーカを付けると取付が容易です。
ラブリコの場合は調整が容易なためマーカが無くても大丈夫です。





6.設置・位置の調整


ラブリコではボルトを一番短くセットして、
マーカ位置でボルトを回して固定します。
はじめは軽く仮止めにして、棚板の寸法に合わせて2 本目の柱を立てます。
寸法や垂直をはかりながらボルトを緩めて調整してゆきます。
ラブリコの調整は固定ネジを緩めるだけで調整ができるため、
位置出しが圧倒的に簡単です。
また、マーカを付けなくてもメジャーで測りながら垂直を調整できます。
2人なら寝かせた状態で棚板を取付けて、
そのまま起こして設置することもできます。
固定ボルトはしっかりと締め付けたいところですが、
天井の強度を注意しながら突っ張ります。
金具と天井の摩擦で軽い接触でも意外に倒れません。
ボルトはしだいにゆるみが出るため、
時々ボルトの締め具合を確認するようにします。
特に地震や震動で緩んできます。

ディアウォールではマーカの位置に合わせて
天井に押しつけるようにしてはめ込みます。
この時、切断する長さが間違っているとスムーズに入りません。
緩すぎる場合はディアウォールの中に
スペーサをかませると調整ができます。
2、3mm の薄い板を挟み込めば調整可能です。
棚板の長さに合わせて2 本目の柱を固定します。
固定した柱の傾きを確認します。
水準器を利用して垂直を確認すると確実です。
2 本の柱の位置と間隔を調整します。
ディアウォールを調整する場合は
上側のディアウォールを引き下げて
スプリングの力を解除して横に移動します
チカラまかせに横に引くとクロスをいためてしまいます。

[注意]
余り強く張るとクロスの隙間が出てしまう時があります。
天井には下からのチカラに弱い部分もありますので、
このような時は設置位置を変更して下さい。










7.棚の取付

棚受けに棚を載せ、下からドライバで固定します。
この場合もキリでガイド穴を開けると確実でスムーズです。
















8.完成


ラブリコやディアウォールを使用した柱には、
工夫次第でおもしろいインテリアを作ることができます。
しかし、テレビを直接固定するような
重心が大きくずれる構造では転倒の危険があります。
テレビなどは台に置くような構造にすれば安心です。
本箱のように大きな重量がかかるプランも危険です。
全体の重心位置や総重量をよく考えてプランして下さい。







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